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モデルになった貝たち

2019年07月25日
わが家まで1時間かけて月1回、デッサンに通われていたKさんが亡くなってもう8年が経つ。彼女からは岩絵の具や額のほか、モチーフ用のホネガイ、オウムガイなどの貝もいただいていたが、写生したのはオウムガイだけ。

この春から始めた「断捨離」で、まずは先月の博物館の友の会の集まりのとき、わが家にある貝を持っていった。
この会には土器や石器だけでなくさまざまな分野に関心がある人が集まっている。とくに仕事で海外を飛び回っていたK氏は世界の貝について実に詳しい。この日持参した貝すべてをもらっていただいた。

ホネガイ アクキガイ科  殻高さ 約10cm  房総半島以南  熱帯太平洋地域に広く生息
棘のような長い突起が特徴。この突起は等間隔で規則的に並んでおり、120度ごとに綺麗に3方向に分かれて並んで伸びている。下方に伸びる長い水管の部分には直角の方向にも短い突起が見られる。
ホネガイは貝を食べる肉食性の動物であることでも知られ、強靭なヤスリのような歯を使って成長の際に邪魔になった自らの貝殻の突起を切り落として成長していく。また、この棘状の突起を作るには通常、半月以上かかるとされている。

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          ホネガイ
 
クモガイ  スイショウガイ科  殻高さ 約16cm 紀伊半島以南  水深10mほどまでの砂地に生息。
殻口の外唇は広く開き、その縁に上下合せて7本の指状突起がある。幼貝では突起は発達していない。
この形をクモに見立てたのが和名の由来。肉は食用、殻は飾りものになる。

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          クモガイ

オウムガイ  オウムガイ目 オウムガイ科に属する軟体動物  大きさ30㎝ 
南西太平洋からインド洋にかけてのサンゴ礁が発達する熱帯域の水深150~300 mの範囲に生息。
はっきりした茶褐色の放射色帯を持つ、横から見た巻き込んでいる殻の形がオウムのくちばしに似ていることからこの名前が付けられた。
足は60~80本程あるが、同じ仲間のタコやイカのように吸盤はなく、また、素早く動きいて生きている魚を捕らえることはできず、主に魚やエビ、カニなどの生物の死骸を食べているらしい。

殻は、巻き貝のそれによく似て見えるが、内部の構造は大きく異なる。巻き貝の殻は、「気房」と呼ばれる細かい部屋をもたずに奥までが一続きでほとんど奥まで肉が入っているのに対し、オウムガイの殻の内部には規則正しく「気房(きぼう)」に分けられている。もっとも出口に近い部屋が広く、ここに体が収まり、それより奥は空洞。
オウムガイはこの「気房」にガスを満たすことによって海底に沈むことなく浮かび、ガスによって得られた浮力と口から取り込んだ海水を漏斗から勢いよく吹き出すことによって、進行方向に泳ぐことができるという。本体が死んでも殻は浮くため、まれに日本にも死貝が漂着する。

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         オウムガイ

オウムガイ類は、古生代後期の海の王者で、「生きている化石」といわれるが、遺伝子を用いた研究では現在のオウムガイは古くて500万年前に現れたとされ、それほど古くはないともいわれる。また、絶滅の危機に瀕している生物のように思われがちだが、進化の途上にあるという考え方もあるとか。
動物など

縄文人が食した貝

2019年07月24日
縄文人は、主に台地の上に住み、数軒から数十軒の竪穴住居によって構成されるムラを営み、狩猟、採集、漁撈などによって支えられていた。煮沸具としての土器の使用は、食べ物の範囲を広げ、縄文人の食生活を豊かにしたといわれる。
 シイ、カシ、ナラなどのドングリ類、クルミ、トチ、クリといった木の実、シカ、イノシシなどの動物、スズキ、クロダイ、マダイなどの魚類、ハマグリ、バイガイ、アカニシ、アサリ、カキなどの貝類が中心だった。(明治大学博物館 縄文人はグルメ縄文の森

1877年、腕足類研究のため来日したアメリカ人動物学者エドワード・モース氏によって発見、発掘された「大森貝塚」は日本考古学発祥の地といわれている。
貝塚の位置については、近年の調査により、品川区大井6丁目の「大森貝塚碑」付近であることがほぼ確実になっている。
大田区側にも「大森貝墟碑」」が建てられている。どちらの碑も国指定史跡となっている。

大森貝塚  縄文時代後期・晩期
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   日本考古学発祥の地 大森貝塚 

大田区で発見された「地点貝塚」の1つ、「田園調布南遺跡(都立田園調布高校内)」の第7号土坑からはブロック状の貝層が認められる。(はるか昔に思いを馳せて大田区の縄文遺跡

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     地層剥離標本 縄文時代前期        

土坑の中にはハマグリ、マガキを主体に、ヤマトシジミ、アカニシなどの貝の体積が、3つのブロック状となって捨てられていた。そのため、地点貝塚(廃棄された住居の竪穴に貝が捨てられてできた貝塚)的性格をもつ土坑ではないかといわれている。
なお、土坑内の土壌分析中に天然真珠や孔雀石製装飾品も発見された。

昨年11月、1階ロビー展示では、区内の遺跡から発見された貝類が展示された。(画像は一部)
ハマグリ、アサリ、ムラサキガイ、バイガイ、オキシジミ、ヤマトシジミ、シオフキ、マガキなど、その種類の多さに驚いたことを覚えている。

田園調布南遺跡  縄文時代前期
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  バイガイ カガミガイ ムラサキガイ イガイ オキシジミ  
  シオフキ アカニシ オオノガイ ツメタガイ ヤマトシジミ
    
下沼部貝塚  縄文時代後期・晩期
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    オオタニシ  イボウミニナ マガキ  イタボガキ
    バイガイ    シオフキ  オオノガイ アサリ
    オキシジミ   ハマグリ  
動物など

マイクロチップ

2019年06月21日
日本では、年間約7万頭(環境省 平成28年度データ)もの犬や猫が殺処分されている。無責任で身勝手な飼い主や業者が見捨て保健所や動物管理センターに収容されるケースが後を絶たないという。

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   「殺処分される犬猫達」  「犬の平均寿命」
    NPO しっぽのなかま

先週、成立した改正動物愛護法には動物虐待に対する厳罰化などに加え、マイクロチップ装着の義務化も盛り込まれている。
マイクロチップの装着は、犬猫を販売するペットショップやブリーダーなど繁殖販売業者に義務付けられ、飼い主に引き渡す前に装着することになる。
施行後、販売業者から犬猫を購入した場合、飼い主はマイクロチップの登録情報変更手続きを行う必要がある。
すでに飼われている犬猫に対しては、飼い主に努力義務がある。

ほかに、出生後56日(8週)経っていない犬や猫の販売を原則禁止。現行法では、経過措置として「49日(7週)」とされていた。
動物の虐待への罰則も強化。動物を殺傷した場合、「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」から「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」に引き上げる。
原則、公布から1年以内に施行するが、マイクロチップの義務化は3年以内、「56日」規制は2年以内とする。

マイクロチップの装着を法律や条令などで「義務付ける」ことには反対している団体もある。
JAVA(NPO法人 動物実験の廃止を求める会)は、日本の殺処分システムがなくならない限り、「チップがない場合は所有者がいない」として野良猫や迷い猫が命の危険にさらされる可能性があると危惧している。

「自分の犬や猫が迷子になった時のことを考え、できる限りの対策をとっておきたいといった本来の使い方なら、マイクロチップを普及させることに反対しない」という。
だが、すべての関係機関(清掃局、警察、道路公団などなど)にチップのリーダーを置いて、必ず読み取り確認しないと、マイクロチップを入れたとしても無駄になる。

このほかにもマイクロチップの義務化には多くの問題があるという。マイクロチップ義務付け問題Q&A」に詳しい。
 
Sさんをはじめ地域猫対策に熱心な人たちのお陰で、ここ数年、わが地域ではノラ猫は皆無、地域猫も激減しているように感じる。
わが庭で12年前に生れた猫も今は1匹と彼女が連れてきた猫が1匹、地域猫なのか外猫なのか、穏やかな毎日を過ごしている。彼らは手術済みだが、チップは入っていない。

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来月、JAVAでは「動物愛護法改正報告会&法律に見放された動物たちを守るための勉強会」を文京区のシビックセンターで開催する。
大田区では明日「大田区地域猫対策講演会」(於:消費生活センター)が開かれる。講師は地域猫対策の発案者である黒澤獣医師。
申込不要なので、行ってみようかと思っている。   
動物など

駅ツバメ

2019年06月12日
多くの人が行き交う鉄道の駅でツバメの巣をよく見かける。人の近くで営巣すれば、蛇やイタチなど肉食動物が近寄ることができないためだといわれる。人の近くで子育てをする姿が観察できる、貴重な野鳥。

ツバメは、台湾やフィリピン、マレーシアなどで冬を過ごし、春になると日本に渡ってくる。
農村ではツバメが稲につく害虫を食べてくれることから、巣がある家は商売繁盛の象徴として古くから大切にされてきた。「土喰うて虫喰うて渋うい」と聞こえる鳴き声も可愛らしいという。何度もツバメの姿はみているが、まだその声はきいたことがない。

ツバメは、雄と雌が協力しながら子育てをする。ヒナは多い時には一日100匹程度の虫を食べて育つというが、巣には5羽前後の雛が育ちますから、一日あたり約500匹の虫を、雄と雌が引っきりなしに与えることになる。そんなことからツバメは「働き者で子育て上手な仲良し夫婦」の象徴として大切にされてきた。

そんなツバメが最近減っていると言われる。ヒヨドリコゲラなど都心部に進出してくる野鳥がいる一方で、身近にいたツバメが都会から姿を消しているという。
ツバメの巣に必要な泥などが都心部では手に入りにくくなっていることもネグラの確保も難しいこともある。
日本野鳥の会では毎年7月に多摩川での「ねぐら入り観察会」を開催したり、ツバメのねぐらを確保するために、ボランティアが河原を整備し、葦原の保全を地道に続けている。

東急線あざみ野駅には2ヶ所に巣があり、2組が子育てをしている。乗降客も多く、駅前はビルが建ち、賑やかな街だが、まだ竹林が広がるなど自然が残っている。人もツバメにとっても暮らしやすいのだろう。

 駅前
 ツバメ
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         あざみ野駅   2019.5

1980年代までは東京駅、上野駅、秋葉原駅ほか国鉄時代のたくさんの山手線駅構内で巣が観察できたというが、2016年に確認されたJR駒込駅改札での営巣が、山手線での最後の1つになったという。これは駅が改修されてツバメが巣作りできる場所が減ってしまったり、再開発により餌となる昆虫が減ってしまったことが主な原因といわれる。

10年前、東急線綱島駅でツバメの巣に気づいて以来、この時期は改札口を出ると構内の上の方に目が行くようになった。

   二子
        二子玉川駅   2009.6

  2011
             大岡山駅     2011.6

画像が残っているのは、綱島駅(2009) 二子玉川駅(2009 2010) 鵜の木駅(2009) 下丸子駅(2010 2011 2012 2013 2017 2018) 大岡山駅(2011)多摩川駅(2012 2013 2016 2017)。年々、巣が空いたままになっている駅が多くなったように感じる。
動物など

おとなしい猫

2019年05月23日
このところ大森山王のOさんのお宅へ何度かお邪魔している。彼女が絵をやめたときに額やパネルなどをいただいたことがあったが、今回は美術関係の本をもらってほしいという。とりあえずKさんと2人で伺った。
室内の調度などは10数年前とあまり変わらないようにも思うが、ずいぶんと断捨離が進んでいる様子。

20年以上前になるだろうか、わが家で飼っていた犬も彼女が飼っていたのもシェットランドシープドッグだった。
あるとき、わが家のアルバートと彼女のラブ嬢と「池上の弁天池付近でお見合いをさせたけれどうまくいかなかったのよ」とKさんに話すOさん。そんなことがあったこと、すっかり忘れていた。
彼らは最後の犬だった。そして今はどちらの家にもそばにいるのは猫たちだ。

   みいちゃん

彼女の家に暮らすのはみいちゃんという猫。ほかにも庭にやって来る猫も面倒を見ているそうだ。
みいちゃんはお利口さん、おとなしく、哲学者みたいにも見える。猫が苦手だったKさんも撫でたり、抱っこさせてもらえたほど。
当たり前なのかもしれないが、紙製の爪とぎ器?でしか爪を磨がない。りんりんのところの猫は躾がなっていないようで、所かまわず爪とぎするので、壁はボロボロになっている・・・。

  写真
         みいちゃんの写真

上に向けた前の掌に顔を載せて眠るみいちゃんの写真を得意げにみせてながら、彼女は獣医師である次女のNさんも珍しいと認めたという話をしてくれた。前脚を折りたたんで座るいわゆる「香箱座り(こうばこずわり)」はよくみるが、掌を上に向けるのは初めてだった。顔を覆って泣いているようにも見えるし、眩しいのだろうか、反省しているようにも見えて面白い。

    伏せる

次にお邪魔したときにはこのポーズを実際に目にすることができた。このときの写真は5月のLINEの「初夏、進まない断捨離」のプロフィール画像にに使わせていただいた。もちろん、みいちゃんに無断で。
反省しているようにも見えるが、実際はおしゃべりがうるさくてうんざりしているようにも見える。

先日、Oさんとの電話の最後に「話したいことがあるの」と、みいちゃんの話を始めた。彼女が帰宅して「みいちゃん、おやつ食べる?」と訊いたときに「ウン!」と答えたのだとか。「はい、はい、みいちゃんなら言いそうだけど・・・。今度、きかせてもらいます」と約束したのだが。
そういえば昔、わが家の犬に「ゴハン」と言わせようと訓練したことがあった。来る人来る人に「ゴハンと言っているでしょ」ときいたが、「ゴワン!」としか聞こえないと言われたことを思い出した。

ちなみに、「香箱座り」とは、前足を胸の下にしまいこむように、折り曲げて座っている状態のこと。片足のみを折り曲げていたり、前足を腕組みするようにして座ったりする場合も、「香箱座り」と呼ぶことがあるようだ。英語圏ではパンの塊に例えて「catloaf」と呼ぶ。 

 アミ
      香箱座りのアミ  2008.11
動物など
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