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「天然記念物」? 駆除対象?

2016年01月05日
日本最古の上野動物園には日本初のものや他では見られない珍しい動物がいる。
房総半島の愛宕山をモデルに日本で初めて誕生したサル山には、天然記念物
指定の「北限のニホンサル」たちがいる。彼らは増え過ぎた青森県下北半島の
サルの一部を上野動物園がもらい受けたという。野性下では人間を除くサルの
仲間の中で最も北に生息している彼らは他の地域のニホンザルに比べると
体が大きく、毛が長く白っぽい。

上野動物園のサル山には、ニホンザル。井の頭動物園にはアカゲザルがいる。
どちらも哺乳綱霊長目オナガザル科マカク属に分類される。
アカゲザル(赤毛猿)は、アフガニスタンからインド北部、中国南部にかけて分布。
ニホンザルに比べ尾が長いので見分けられる。
実験動物として広く利用され、マーキュリー計画によりリトル・ジョーロケットに
乗ったサルでもある。
       
井の頭動物園のサル山前の案内板には「アカゲザルの野生化について」
くわしく書かれていた。
房総半島南部では、1995年ごろから、本来いないはずのアカゲザルが定着
している。飼育されていたものを起源としていることは明らかだという。   
近年は数を増やし、農業被害も起きているというが、それ以上に心配されて
いるのは、日本在来のニホンザルとアカゲザルの間に生まれた雑種のサルが
見つかるようになったことだという。

     雑種
 
このままにしておくと、アカゲザルや雑種の猿が、ニホンザルの生息域に広がり
つづけ、純粋なニホンザルがいなくなってしまうことも。


マカク属は生活スタイルがよく似ていて交雑しやすいため、ニホンザルと生息地が
重なる場所では多くの問題をはらんでいるという。
和歌山県では、タイワンザルで同じような問題が起きているらしい。
アカゲザルタイワンザルは、外来生物法の特定外来生物に指定されていて、
飼育や移動、野外に放すことが禁じられ、駆除の対象にもなっているという。

人の手で本来の生息場所から追い出されたサルたち、実験動物などとして
多く輸入されたサルたちは、侵入生物、外来生物(国立環境研究所)として
消される運命だとは。「固有性」を守るためとはいえ、かなしい。
動物など
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