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明治の正月風景

2016年01月08日
関東大震災前、東京にはまだ江戸情緒が色濃く残っていた。
江戸情緒や江戸文化について書かれた『失われた江戸をもとめて』を、タブレット
(Kindle)に入れて外出先でたまに開くことがある。
その18篇の中の1つ、柴田流星の『残されたる江戸』はなかなか興味深かった。

柴田流星(1879~1913)は明治12年、小石川に生まれた。中学卒業後、
イギリス人について英語を学び、のち巌谷小波(いわやさざなみ)の
の門下となり、児童文学の執筆やロシア文学などの翻訳を手がけたが、
34歳の若さで没した。夏目漱石の木曜会にも参加。
著書に『伝説の江戸』『東京の女』『唯一人』など、訳書に『アンナカレンナ』など、
今日伝わる作品はわずか。

「三ヶ日と七草」では初日の出や初詣など、今とさほどかわらない正月風景。
正月は三ヶ日が江戸ッ児の最も真面目なるべき時だ。かれらは元日の黎明に
若水汲んで含嗽(うがい)し、衣を改めて芝浦、愛宕山、九段、上野、待乳山などに
初日の出を拝し、帰来屠蘇雑煮餅を祝うて、更に恵方詣をなす。亀戸天神、
深川八幡、日枝神社、湯島天神、神田明神などはその主なものである。
かくして更に向島の七福神巡りをするものもあれば近所の廻礼をすますものも
ある、けれど廻礼には大方二日以後の日を択び、現実はただ嬉笑の間に和楽して
終わるが多い。・・・


        七草
                     向島百花園

今日は7日。七草のセットを買ってきて七草粥をつくるのがやっと。歌も知らない。
・・・かくてぞ喜びをまつの打ちはあわただしく過ぎて、七日のまだき、澄みきった旦
あさ)の空気に高々と響き亘る薺(なずな)打ちの音、「七草なずな、唐土の鶏が
日本の土地に、渡らぬ先に、ストトントン」と彼方からも此方からも聞こえ初めると、
昨日までの門松も飾藁も名残なく取去られて、浮世は元の姿にかえるも淋しい。
しかし江戸ッ児には二十日正月までの物日はまだ乏しくないのだ。


        パスポート

上野といえば、1月2日発売の上野地区の8つの文化施設(国立博物館、科学博物館、
西洋美術館、上野動物園、下町風俗資料館、旧岩崎邸庭園、都美術館、藝大美術館)の
常設展共通入場券」(~5月¥2000)を上野動物園に行ったりんりんに買ってきてもらった。
今年は上野の杜をこの「UENO WELCOME PASSPORT」でまわることにした。
長い間できなかった「しがらみ」も捨てられた。今年はいい年になりそうだ。
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